2021年理事長所信

<2021年度スローガン>

「矜持」 ~ 未来を創造し、誇りを持って行動する ~ 

<基本方針>

  • 【感謝、敬意を持ち未来を創造する50周年】
  • 【地域環境開発】 防災強化 地域住民の政治参画
  • 【人材開発】団結力 責任感 使命感 自己成長
  • 【豊築中学校競技大会】
  • 【会員拡大・組織力強化】

<理事長所信>

一般社団法人 豊前青年会議所

2021年度理事長 前田 由行

 

【はじめに】

我々豊前青年会議所は、1972年に設立され、本年50年目を迎えます。半世紀もの間、豊前青年会議所が活動を継続できている事に対して、まず先輩方、地域住民に対して感謝、敬意を示さなければならない年であると考えます。豊前青年会議所の軌跡に感謝すると同時に、歴史の重み、深みを理解し、会員として恥じない行動、誇りを持った行動をしていかなければなりません。自身の心を律し、自身の行動に責任、誇りを持つ事で、自身の立ち振る舞いが変革されていくのであろうと、この地域の未来を創造するに相応しい人材に成長していくのであろうと考えます。2021年度のスローガン、矜持~未来を創造し、誇りを持って行動する~を掲げ、5つの基本方針をもと、時代に応じた、未来を創造する運動を展開してまいります。

【感謝、敬意を持ち未来を創造する50周年】

50年という半世紀にわたり、先輩方が「矜持」を持って活動し次世代に繋いできたからこそ、今の豊前青年会議所があります。いつの時代も豊前青年会議所は、この豊築地域をより良くする為に率先して運動を展開してきました。

現代の日本は、新型コロナウイルス感染症により、地域の生活、経済に影響が生じております。人々のライフスタイルは目まぐるしく変化しており、豊築地域においても例外ではありません。感染症対策、経済活性化の両立の視点から、デジタル・トランスフォーメーションを推進したまちづくりを考える必要があります。5Gの普及により、距離という壁はなくなります。自宅で仕事ができるようになり、都市部にでる事もなく、人と繋がり、時間を共有する機会が増えていきます。現状として、2020年は新型コロナウイルス感染症が猛威を奮い、仕事の為に出社するという概念も変革されました。この情勢は、地方創生の観点からは、大きな転換期であると考えます。科学技術は目まぐるしく発展しており、地方、都心に問わず、同様の仕事ができるようになり、地方人口の減少に歯止めをかける材料になると考えます。この転換期を見逃さず、これからの豊築地域を創造していかなければなりません。全世界、どこに居ても、同じクオリティーの仕事ができるならば、人はどのような地域に住みたいかを考える必要があります。さまざまな事にアンテナを張り、地域にとって何が必要かを見極めていかなければなりません。豊築地域の未来はどのような状況になっているでしょうか。人口急減、超高齢化などの大きな課題を抱えております。各市町村が自律的で持続的な、特徴を活かした社会を創生していく必要があります。、少子高齢化の市町村には、どのようなまちづくりが必要であるか、誰一人取り残すことなく、問題提起し、誰もが住みたくなる豊築地域とはどのような地域か、と住民の意識に問いかけていく運動が必要であると考えます。

豊前青年会議所は、1市3町の行政、各種団体と協力し、活動、運動を展開してきました。豊前青年会議所だからこそできる、官民一体の架け橋となる事業を展開してきました。その目線の先には、豊築地域で生活をする住民に対してであり、如何にして当事者意識を持って、地域の未来を考えていくかが重要であると感じています。個人主義の思想でなく、住民一人ひとりが当事者意識を持ち、地域活性化を意識するように地域住民の意識を変えていく団体として、「矜持」を持って、未来を創造する運動を展開していきます。

 

【地域環境開発】

 豊前青年会議所は45周年に、1市3町の社会福祉協議会と防災協定を結んでいます。令和2年7月九州豪雨などの自然災害は、昨今の気候変動の異常に伴い、発災が予測され、南海トラフ地震においても30年内に70%以上の確率で起こると予想されております。防災協定のもと、発災時の行動、情報の共有など、更なる連携力の強化を行う事が必要であり、継続して、当事者意識を持って取り組んでいく事が必要であると考えます。

地域住民の政治参画です。日本の選挙における投票率は決して高いとは言えません。豊築地域においても40%~60%と低く、20代、30代の若者においては、更に低い水準であると言われております。イギリスがEU離脱についての国民投票が行われた後に、300万という再投票の署名が集まったという事例から学び、我々はこの地域の未来への政策に対して、真剣に耳を傾け、投票しなければなりません。若者の描くまちづくりと、60歳以上の方が描く街づくりは必ずしも同じではないでしょう。多種多様な意見に耳を傾け、政策において当事者意識を持たせる運動を展開する必要があると考えます。

 

【豊築中学校競技大会】

38年にわたり、地域住民にとってかけがえのない事業となった豊築中学校競技大会があります。先輩方が、昭和、平成、令和という時代を超えて、繋いできた地域財産と呼べる事業であり、青少年のマナーアップを目的とし、継続されてきました。しかしながら、青年会議所は時代に即した事業を展開する団体であります。地域に求められる事業ではなく、地域に何が必要かを見極め、地域住民の意識を変革していく事業を展開していかなければなりません。豊前青年会議所として、この地域財産事業について、新たな形での運営方法について検討していきます。

 

【人材育成】

 豊前青年会議所は、何の為に存在するのであろうか。何故、我々は豊前青年会議所に集い、行動を共にするのであろうか。入会動機は、個人によって異なりますが、活動目的は同じでなければなりません。豊築地域を明るい豊かな社会にする為に、豊前青年会議所は存在するのです。豊前青年会議所の成長は、豊築地域の発展に繋がるという方程式が成り立たなければなりません。豊前青年会議所の成長とは何か。それは、会員の一人ひとりの成長です。一人ひとりが、地域を導くリーダーとなるべく成長しなければなりません。個人の成長が組織の成長に繋がります。しかし、それぞれが別の方向に向いていては、舟は前に進みません。まずは組織として、団結力の強化が必要であると考えます。本年、豊前青年会議所は50周年を迎えます。例年以上に、我々は目的を共有し、同じ方向へと進んでいかなければなりません。次に責任感の強化です。役職を受ける人間には、責任を背負うという負荷がかかります。これは、社会、組織に所属する限り当然のことであり、役職を担い責任を果たした結果、個人が成長しているのです。また、責任には「自責と他責」があります。リーダーマインドを高める為には、責任に対する意識が重要であり、自分の保身から責任回避しようとする他責からは何も得る事はできません。役職を受ける受けないに関わらず、「全ての原因は我にあり」という自責の観点から、物事を考える習慣が重要であります。では、我々は何に対して責任を背負っているのでしょうか。それは、JCIミッション「より良い変化をもたらす力を青年に与える為に発展、成長の機会を提供する」という使命感です。この使命感を形にする為に、我々自身が、どんな物事でも「何か学ぶべきものがあるはず」「素直にやってみる」という意識が重要です。様々な物事にアンテナを張る好奇心を持ち、地域に還元する為に、自分の時間を使い、感情を律し、行動に移す習慣が必要であります。最後に自己成長の成果です。我々は、個人ではできないが、豊前青年会議所ならばできる社会貢献活動があるという事を理解しています。個人、組織として、「Mastしなければならない事」「Canできる事」「Willしたい事」を区別して考え行動しなければなりません。「できる事」を増やし、「しなければならない事」の範囲を拡げる事が自己成長であり、「したい事」を「できる事」にする事が成果です。このプロセスを理解し、活動を考える習慣が必要です。この1年を通して、団結力、責任感、使命感、自己成長を養い、矜持の精神を持った人材に成長していきたいと考えます

 

【会員拡大・組織力強化】

我々は、より良い社会の構築の為に、地域住民を導く、地域住民の意識を変革する団体です。会員拡大対象者の意識を変える事もできずに、地域住民の意識を変える事ができるでしょうか。青年会議所活動に勧誘するのではなく共に活動したいと、入会を希望される団体でなくてはならないと考えます。その為には、我々が青年会議所活動に誇りを持ち、真剣に取り組んでいる姿勢を見せる事が必要であると考えます。この豊築地域をより良くする為に、時代、世界の流れをよみ、様々な物事にアンテナを張り、会員自身が、この地域のリーダーとなるという意識で、地域を巻き込んでいく必要があります。自信に満ちた行動、人から見られているという自制心を持った行動は、他社を惹きつける魅力的な印象を与えます。その姿勢を発信する事で、同志と呼べる仲間が集う豊前青年会議所を目指し、会員拡大に取り組んでまいります。また、豊前青年会議所は50周年を迎えます。より良い活動、運動を展開する為には、会員一人ひとりが、忖度する事無く、自身の考えを発言できる関係作りが必要であると考えます。委員会、執行部の垣根を超えて、コンセンサスをとれる環境作りを行い、50周年豊前青年会議所は、より高い組織力をもって、活動、運動を展開していきます。

 

【おわりに】

昭和、平成、令和という時代を超えて、先輩方が地域を明るい豊かな社会へ導いていく為に、活動に誇りを持って取り組まれたからこそ、豊前青年会議所は地域にとって、かけがえのない存在となり、創立50年という節目を迎える事ができました。我々が、先輩方の活動によって、意識を変えられたように、地域住民の意識を変革し、同志を拡大する事が、より良い社会へと導いていく為に必要な事であると感じております。自分自身、何故に青年会議所活動に魅力を感じたのかを振り返った時に、一本筋の通った大人が地域の為に、喧々諤々と議論をする姿を「カッコイイ」と感じた事を覚えております。個人主義的な思想を捨て、地域の為に運動を展開する姿勢こそが、私にとって魅力的であり、先輩方の矜持を感じたからこそ、この場に立っているのだと感じております。同志の拡大は、活動に厚みを持たせ、地域に影響力のある運動へと繋がります。運動の成功は、我々に達成感、充実感をもたらし、新たな取り組みを行う為の原動力となり、より良い運動が展開できます。豊築地域と豊前青年会議所は相乗効果で発展していくだろうと考えます。それぞれの時代にあったニーズを把握し、未来を創造するには、活動に自信を持って、取り組む必要があります。展開する運動は、時代によって変化していきますが、自信が過信に変わり、自分本位な活動をする事があってはなりません。現在の我々の為でなく、未来を生きる次世代の為に、豊築地域の未来を創造していきます。地域から必要とされる、100年、200年と豊前青年会議所が存続していく為に、矜持の精神を持ち、節目の50周年にしてまいります。